総務省消防庁は、電話回線が使えなくなりがちな大規模災害時の119番電話通報を補完するため、ツイッターなどインターネットのソーシャルネットワークサービス(SNS)から緊急通報できる態勢を整える。1回目の検討会を29日に開催すると24日発表した。今年度内に運用時の課題などを報告書にまとめ、実用化に向けて来年度から試験運用を行う方針。
1回目の検討会には、消防関係者やミクシィ、「LINE」を運営するNHNジャパンなどのSNS業者や、情報通信の専門家ら14人が参加予定で、震災以降のSNS業者の災害時の取り組みなどを紹介する。検討会は今年度内に3回開催する。
検討会では、どのぐらいの規模の災害の際にSNSからの緊急通報を運用するのかなど大災害の定義や、各SNSで緊急のメッセージを外部に送る仕様が異なるため、「いつ」「誰が」など通報の項目を共通化することなどを話し合う。「どこで」についてはスマートフォン(高機能携帯電話)の位置情報サービスを活用することも検討する。
ただ、ネットによる緊急通報には課題も多い。電話に比べて難しい本人確認の方法や、他人になりすました通報などいたずらの防止も今後の検討事項だ。現状では、「メールを使った緊急通報は本人確認がSNSよりもしにくいことから、実現は難しい」(同庁)という。
東日本大震災の際には、ツイッターの消防庁の公式アカウントに、助けを求めるつぶやきが届いたのを受けて、実際に消防隊が救助に出動した例や、宮城県気仙沼市で一時孤立した被災者が、メールで助けを求めたことでヘリコプターで救助された例もあった。検討会に参加するヤフーの古閑由佳政策企画室長は「被害状況によっては電話で119番通報を行う事が困難な場合も考えられる。ネットによる通報で、1人でも多くの命を助けることができる仕組みを構築したい」と話している。